突然に生じるけいれん・ひきつけのことを東洋医学では「急驚(きゅうきょう)」といいます。
急驚の症状には、搐(ちく)・溺(でき)・掣(せい)・顫(せん)・反(はん)・引(いん)・竄(そ)・視(し)の8つの症状があり、「驚風八候」と呼びます。
それぞれの意味は以下の通りです。
①搐(ちく):上肢が伸縮すること。
②溺(でき):両手の指が開くこと。
③掣(せい):頭と両肩がぶつかり合うこと。(肩をすくめるようにする)
④顫(せん):手足のふるえのこと。
⑤反(はん):弓のように体を反り返らせる。(後弓反張)
⑥引(いん):腕が弓を引くような形になること。(肩関節伸展)
⑦竄(そ):両目の上方注視。
⑧視(し):凝視すること。
以上の8つになりますが、臨床的には8つすべての症状が現れることもありますし、8つのうちの数個だけのものもあると思います。
学術的にてんかんを研究する際には、しっかりと定義する必要はありますが、臨床的にはこのような8つの症状があるということを知っていることが大事だと思います。