【1歳未満】
・強直発作
→意識消失とともに全身性の筋肉が強直状態となる発作。
眼球偏位、瞳孔散大、呼吸が不規則になったり、涎が出たり、弓なり緊張といった症状を伴うことが多い。
・間代発作
→意識消失とともに短い筋攣縮と弛緩を交互に繰り返す。
手足の屈伸をきたす発作。
・強直間代発作
→意識消失とともに全身性の強直性痙攣が起こり、次に間代性痙攣がみられる発作。
発作中に転倒によりケガをしたり、舌をかんだり、尿失禁がしばしばみられる。
発作は5分以内で終了。その後は嘴管し、睡眠または朦朧状態となる。(全経過は30分以内)
1981年までは大発作といわれていた。
【1歳ごろ~5歳】
・ミオクロニー発作
→顔面、四肢、体幹の筋の急激且つ瞬間的収縮。(ピクっと)
身体の一部に限局するか、全身に起こる。
・非定型欠伸発作
→突然、それまで行っていた動作を中断し、呆然とした状態になる。発作時、意識や反応性は消失する。
定型欠伸発作と比べ、非定型欠伸発作は発作時間がより長く、発作の開始と終了も速やかではない。
筋緊張の変化もより強く出る。
・焦点性発作
1.単純部分発作:意識障害なし。
①運動発作
→ピクピク引きつる痙攣発作(持続時間は十数秒)
②体性感覚発作
→視覚、嗅覚、聴覚、味覚などの異常感覚を呈する。
③精神発作
→恐怖感、強制思考、既視感、幻聴、幻覚などの精神症状が知られている。精神発作中の意識状態を評価するのは困難なため、多くの場合複雑部分発作として経験される。
④自律神経発作
→上腹部不快感、顔面蒼白、発汗、潮紅、立毛、瞳孔散大、などが自覚される。
⑤笑い発作
→笑い発作もてんかんのことがある。
2.複雑部分発作:意識障害あり。
発作の始まり、あるいは単純部分発作の途中から意識減損がみられる。
自動症(口をもぐもぐうごかしたり、衣服やボタンをいじるなどの逸脱した行動)を伴うことがある。
【6歳以降】
全身けいれん発作は軽減傾向になることが多い。
特に睡眠時のけいれん発作のみになることもあるが、完全に発作がなくなることはほとんどない。
※発熱や睡眠によって誘発される発作は成人期にも引き続きみられる。
※片側性けいれん発作、全般性けいれん発作、焦点性発作は見られるが、ミオクロニー発作と非定型欠伸発作は必ずしも併発しない。(そのため、「乳児重症ミオクロニーてんかん」→「ドラベ症候群」と呼ばれるようになった。)
参考文献:「標準神経病学 第2版」医学書院